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その後、シェリーとハチはアルザスを一杯飲んだ後、
勿体ないので、ビールを飲みはじめた。
ハチはお酒が弱いのに飲みたがる。
全くこういうタイプは一番迷惑だ。
一人でビールをがぶ飲みし泥酔したハチをベッドまで俺が運んだ。
本当に一仕事だ。
シェリーも普段はお酒が強いのだが、
仕事終わりで随分疲れていたようだ。
さっさと自分の部屋に戻り寝てしまった。
俺はビールの空き缶が散乱している机の前に座った。
「片付けてから寝ろよ。」
あまりにの汚さに愚痴がこぼれる。
俺は潔癖と言われるほど綺麗好きな性格なので、
この状況は本当に許せない。
ビニール袋を片手に空き缶を片付ける。
時刻は夜中の三時。
みんなが寝静まって、外も静かだ。
アルミ缶がビニール袋に入りぶつかる音が部屋中にただ響いている。
大体片付け終わり、机もすっきりしたところ、床にシェリーの煙草が落ちていることに気づいた。
「中身ないじゃん。
ゴミならちゃんと捨てろよ。」
俺はそれを拾い上げて、ビニール袋に入れた。
「しかし、シェリーはヘビースモーカーだな。
あいつ、いつか肺ガンになって死ぬんじゃないのか。」
俺は一息つき、リビングのソファーに腰掛けた。
胸ポケットに手を入れる。
「しばらく吸ってないな。
湿気てるかな。」
白い箱にDUNHILLと書かれた箱。
イギリス製の煙草だ。
俺は煙草に火を点けた。
昔は俺もヘビースモーカーで
一日に軽く一箱空けていた。
海外のブランド煙草を吸うのが趣味で、
このDUNHILLは知り合いにもらったものだ。
煙草は異常な煙りを上げていた。
5年以上も前のものだ、しかたのないことだ。
煙草を灰皿に置き、煙を眺めた。
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