一匹狼の一日

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どうやら本当だったらしい抜き打ちテストを終えて、あっという間に昼休み。 「あっれ、サクくんまたパンだけー?」 少ないねー、と驚いたようにヒナは笑った。そう言ったヒナの机の上にはどっさりとお菓子が積まれている。 「おまえが食い過ぎなんだよ」 「だーって女の子がくれるんだもーん」 甘えた声で、にひっと悪い顔をするこいつは通称ヒナ。 ヒナは女にモテる。 といっても、彼氏にしたいとか付き合ってほしい、などではなく。 マスコット的な意味で。 ぱっちり大きい目に小さい顔、体も小柄なヒナはしょっちゅう女から餌付けされている。 「…オレにも一個くれ」 恨めしそうにお菓子を見つめる三谷。 こいつには彼女がいないのだ。むしろできたことがないらしい。ヒナ談。 顔は良いはずなのに何でだろう、なんて思ってヒナに聞いてみたことがある。口開くとバカだから、なんて答えたヒナは腹の中真っ黒だ。 「三谷にはあげなーい。サクくんにはプレゼンツ」 はい、と手渡されたクッキーをひょいと口に入れる。あ、うまい。 三谷はもはや女からもらった物なら自分宛てでなくてもいいらしい。 ぐあーっと呻いている。 そしてそれを見て笑っているヒナ。 そんな幼なじみであるこいつらと新参者のオレはいつもつるんでいる。 .
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