9 約束

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足立「とりあえずまぁ…お前が帰ってきてくれてよかった」 甲太郎「んしょ…何かあったんすか?」 足立「…今日は帝王と試合だったんだが、」 甲太郎「なにぬっ!?」 甲太郎は橙に首をぎゅるんと回した。 橙は甲太郎に試合や野球の事はほとんど教えていなかったのだ。 甲太郎「なぁーんで言わないんだっ!!」 橙「だ、だって、だって教えたら…今からでも行くとおもったのです!!」 甲太郎「当たり前だの敦子ちゃんだ!!!! がうー!!」 橙「やー!?噛まないでくださいっ」 足立「んんっ…ここから真剣な話すっからマジでちゃんと聞けよ」 甲太郎「なんスか?」 足立「…眠徒が脚を怪我した。早くて2ヶ月。予選は間に合わない」 甲太郎「…は?」 足立「お前にこんなところで休んでもらっては困るんだ。 帝王は去年と比べられないほど強くなっている」 甲太郎「ま、まってよ…眠徒先輩が…怪我?」 足立「…簡単だ。お前の好きな様に暴れろ。敬遠されたら走れ。勝負されたら打て。大河とお前で帝王に、聖陵に、超学園に…勝つんだ」 甲太郎「俺は…」 足立「一週間もさぼったバツだ。スランプなんかほざいて見ろ、血のションベンでるまでノックしてやる」 甲太郎は黙って聞いている。 よほどショックだったのだろう。 足立「野球は出れない事よりも、お前には出る辛さの方が苦しいはずだ。お前一人の行動がチームに響くのさ」 足立の言葉はびしびしと甲太郎にぶつかっていった。
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