9 約束

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* * * ばきん。ぼきん。ぱりん。 がしゃん…。 心の中で、夢が折れる音がする。数ミリ動かしただけで激痛が走る左脚。 始まる前に全てが終わってしまった。 もう二度と来夢とはバッテリーが組めないんだ。 脚なんかより、胸の方が痛かった。 眠徒(病院てきらい…) 「ぽた…」 眠徒「あれ…?」 いつの間にか泣いていた。運ばれる車の中でも、診察を待つ病院の廊下でも、涙は出なかったのに…。 眠徒「やだ、止まんない…くそ…ばか…なんで…」 ユニフォームの袖でごしごしと目を擦った。 垂れそうな鼻水をすすって天井を見た。 眠徒「試合のまま来たからアンダーシャツ濡れてる…着替えよ」 脚を動かさないように体だけよじり、セカンドバックから着替え用のアンダーシャツとジャージを出して濡れたアンダーシャツを脱ぐ。 眠徒「んしょ…不便だな…」 ちょうど脱ぎ終わり、下着のみになった時、 どたどたと走る足音が聞こえ、部屋の前で止まる。 喧嘩のような話声が聞こえたので、誰か直ぐにわかったが、今は少しまずい。 眠徒「ちょ…待って!!今は…」 「ガララッ!!!!」 甲太郎「眠徒先輩!!」 眠徒「ぎゃーー!!!?」 甲太郎「のわぁッ白昼間の痴女!?」 眠徒「ノックぐらいしろやバカたれぇぇ!!」 「カコーン!!!!!」 甲太郎「おうふっ!?」 眠徒は胸を手で隠しながらテレビのリモコンをスナップスローでぶつけた。
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