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「パァン!!!!!!!!!!」
甲太郎(コイツコントロールやべー……力技の大河とは正反対のタイプだな)
あれから一時間。
甲太郎とレオンは時間をわすれてピッチングをしていた。
レオンのボールは構えたミットに一センチとずれずに入ってきた。
甲太郎(コイツが入ればウチはもっと強くなる…帝王に勝つためには、必要な存在だ…)
甲太郎は立ち上がり、レオンにボールを返した。
甲太郎「お前、ウチに入らねーか?」
レオン「え?」
甲太郎「一緒に野球やろう。もったいねぇよお前。このままじっとしてたら腐っちまう」
レオン「でも俺は…」
甲太郎「お前さ、妹の為だと思って野球やらねぇんだろ?」
レオン「……」
甲太郎「それって本当に妹の為になってんのか?」
レオン「俺は…そう…思ってる」
甲太郎「思ってるだけなら、そんなん重てぇだけだぞ。ちゃんと聞いてみろよ…お前の気持ち、誤魔化すなよ」
レオン「アンタに…何が分かるってんだよ!!!!!!あいつは…もう、死んじゃうかもしれないんだ!!一緒にいたいはずだろ!?」
甲太郎「そーゆう不器用な所はソックリだぜ。
いいか?キャッチャーてのはな、ピッチャーの考えてる事なんかボールを見れば分かるんだよ!!」
レオン「うるさいっ!!」
レオンは甲太郎を殴って逃げ出した。
階段をかけ上がり、ドアを思い切り閉めると、灰色の壁に両拳を打ち付け、嘆く。
レオン「俺は………」
つかさ「ばっかみたい」
誰もいないはずの駐車場にひっそりとその言葉は聞こえた。
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