10 立ち向かう時。

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「パァン!!!!!!!!!!」 甲太郎(コイツコントロールやべー……力技の大河とは正反対のタイプだな) あれから一時間。 甲太郎とレオンは時間をわすれてピッチングをしていた。 レオンのボールは構えたミットに一センチとずれずに入ってきた。 甲太郎(コイツが入ればウチはもっと強くなる…帝王に勝つためには、必要な存在だ…) 甲太郎は立ち上がり、レオンにボールを返した。 甲太郎「お前、ウチに入らねーか?」 レオン「え?」 甲太郎「一緒に野球やろう。もったいねぇよお前。このままじっとしてたら腐っちまう」 レオン「でも俺は…」 甲太郎「お前さ、妹の為だと思って野球やらねぇんだろ?」 レオン「……」 甲太郎「それって本当に妹の為になってんのか?」 レオン「俺は…そう…思ってる」 甲太郎「思ってるだけなら、そんなん重てぇだけだぞ。ちゃんと聞いてみろよ…お前の気持ち、誤魔化すなよ」 レオン「アンタに…何が分かるってんだよ!!!!!!あいつは…もう、死んじゃうかもしれないんだ!!一緒にいたいはずだろ!?」 甲太郎「そーゆう不器用な所はソックリだぜ。 いいか?キャッチャーてのはな、ピッチャーの考えてる事なんかボールを見れば分かるんだよ!!」 レオン「うるさいっ!!」 レオンは甲太郎を殴って逃げ出した。 階段をかけ上がり、ドアを思い切り閉めると、灰色の壁に両拳を打ち付け、嘆く。 レオン「俺は………」 つかさ「ばっかみたい」 誰もいないはずの駐車場にひっそりとその言葉は聞こえた。
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