10 立ち向かう時。

10/29
前へ
/539ページ
次へ
レオン「つかさ…?」 つかさ「何が意地っ張りだよ…本当はレオンが一番意地っ張りなんでしょ」 レオン「なんで…ここに…?」 白のワンピースにカチューシャのつかさは、不機嫌のような悲しいような顔でレオンをみていた。 つかさ「おしっこにいってからもう一時間以上も帰ってこないっていうし、 甲太郎さんのお見舞いに行けば一緒にどっか行ったて言うから…」 レオン「もうそんなに経ってたのか…」 つかさ「好きなら好きっていいなよ。 本当に野球やならないつもりなら、野球部の無い学校にいけたでしょ?」 レオン「…駄目なんだ。 俺がいないとアイツは…」 ??「何が駄目なの?」 落胆するレオンのすぐ近くに、ピンク色のパジャマと白衣、唇の端っこから血を流した甲太郎が立っていた。 レオン「愛音(アイネ)…先生………。」 湊一「やれやれ…レオン君は心配性だなぁ…愛音ちゃんはそんなに弱い子じゃあないよ?」 唯一よく分かっていない甲太郎に、愛音とはレオンの妹であるとつかさがそっと耳打ちしてくれた。 愛音「私、お兄ちゃんが野球を頑張っている所が見たい。 お兄ちゃんはじっとしているより、野球をしてた方がかっこいいよ♪」 レオン「愛…音…」 つかさ(まったく…本当に意地っ張りなんだから…) 妹のおかげでようやく自分の気持ちと正直に向き合えたレオン。 気恥ずかしさと嬉しさからかニット帽で目を隠した。
/539ページ

最初のコメントを投稿しよう!

408人が本棚に入れています
本棚に追加