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「純冶くん…ホントに行っちゃうんですか?」
目の前の男にしてはかわいい顔をした少年が、泣きながら聞いてきた。
「う…ん、ナリ、父さんの仕事の都合だし…しょーがないよな。
今まで待ってもらうだけで、限界だったんだ…
…わりーけどあの馬鹿の事…頼むな…」
苦笑しながらあの馬鹿と言われた少年は、ナリとよばれた少年の
遥か後ろで泣きながらこちらの様子を伺っている。
「ごめんな…あの馬鹿の卒業式まで居たかったんだけど…
今日までが限界で…
わりーけど…」
「ええ。お馬鹿さんの合格発表だよね?
おバカさんだから気になるんだよね?」
「ブッ…確かに!藍沢くん!僕、もう行くね!」
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