beautiful feather

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『余計なことは考えない』 梢さんがそう釘を刺してくる こんなこと考えてたら出ていくものも出ていかないか 私は強く念じてみる 梢さんに私の身体から出ていくように すると身体の感覚が戻ってくる感じがする そして何かがすぅっと抜けていくような感覚も 「わ、割と簡単に出来たわね」 目の前に梢さんがいる ということは私の身体から離れることが出来たんだ 「そうだね ……? なんか顔赤くない?」 「そ、そんなことないわよ」 梢さんはそういうと横を向く これはほぼ確実に何か隠してるよね 私は梢さんの前に回り込んで顔をのぞき込んでみる 「梢さん? どうしたの?」 「……みちゃったのよ」 梢さんはそう呟く 見たって何を見たって言うんだろう 「何を見たの?」 私がそう尋ねると梢さんは1回大きく深呼吸をする そして何か決心したように私の目を見る 「美羽ちゃんの、自分でも気付いてないような本心……」 梢さんはそういうと顔を真っ赤にする 私も気付いてないような本心……? 一体何だろう…… もしかして私が性格悪いって気付かれちゃったのかな…… でもそれは私自身気付いてることだし 「それって……?」 「美羽ちゃんの好きな人」 私の、好きな人? そう聞いた瞬間びっくりすると同時に少し安心する だって私は恋に興味ないし 高一なのに初恋がまだだって言うとみんなに馬鹿にされたりはするんだけど でも私には好きな人なんているはずないから梢さんが言ってることは嘘だ
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