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「美羽ちゃんって本当に優しいわね
もう、美羽ちゃんたら可愛いんだから」
梢さんはそういって私に抱き付こうとする
今の台詞のどこが優しかったんだろう……
まぁ言葉の受け取り方は人それぞれだとして
抱き付かれたところですり抜けちゃうんだろうけど
梢さんもそう考えて抱き付いてこようとしてるんだろうな
梢さんはそのまま抱き付いてきて
やっぱりすり抜けた……
そう思った時不思議な感覚が私を襲う
まるで、何か入ってきたような
まぁ気の所為だよね
私はすり抜けた筈の梢さんを見るために後ろを向こうとする
……あれ?
身体が動かない……
まるで自分の身体じゃないみたい
『ね、ねぇ美羽ちゃん』
梢さんがどこからか話しかけてくる
外から聞こえるってよりは頭の中に直接響いてる感じがするけど
口を動かそうとするけど口は動かなくて……
『口は動かさなくていいの
ただ思うだけで伝わるわ』
思うだけ……?
そんなんで伝わるわけが……
『伝わってるわ
信じられない気持ちも分かる
けれど冷静になって私の話を聞いて
実は私、美羽ちゃんに取り憑いちゃったみたいなの』
取り憑いた……?
もしかしてさっきので私の中に梢さんが入っちゃったってこと?
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