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「アナタ、まだ子供なのね」
そう言って、女の子は少し笑った。
僕はなんだか馬鹿にされたような気がして、解放された左手をゴシゴシとジーンズでふきながら言い返した。
「そっちこそ」
すると彼女は、さも心外だという表情をして、とん、と軽く僕の胸を指先で押した。
大した力じゃなかったけど、僕はバランスを崩して背中を木の幹にぶつけてしまった。
「あ!」
慌ててシャツを引っ張って確かめたら、ベッタリと蜂蜜がついていた。
「新品なのに……」
思わず溜め息がついてでた。
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