その5

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満月は確か明日… 何もなくであってほしい。 そう思い私は沖田さんの部屋に向かった。 「沖田さん?入りますよ。」 物音がしない。 寝ているのか? 「失礼します。っっえ?」 いきなり袖を引っ張られ壁に体を打ち付けられた。 「君はいつも無用心だね。男の部屋にずけずけ入るんだもん。」 「失礼でしたか?」 「別に、」 そう言って沖田さんは近づいてきた。 その顔は表情もなく、怖かった。 怖い… 何をされるのだろうか。 ゆっくりと近づいてくる。 私の目の前にきて鼻と鼻がふれ合う距離で呟く。 「凜子が悪いんだよ。こんなことになるのは。」 「いったい私は何を?」 「僕は悪くないんだからね。」 そういった目は沖田さんではなかった。 私の唇を塞ごうとする。 キスを拒むと顔を捕まれた。
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