その5

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お千ちゃんは黙ってた。 お梅さんは笑ってお千ちゃんに近づく。 「あんたさん。長州のものやね。私がいろいろ仕掛けたのにまんまと引っ掛かって。」 クスクス笑う。 「あの文を出したのはあなただったんですね。」 「そう。うちにばれたらどうなるかわかっているんよね。」 お千ちゃんはクナイをもってお梅さんに飛びかかってきた。 「お千ちゃん!」 とっさに体が動きお千ちゃんのクナイを止めた。 「林太郎さん。まんまとはめられましたよ。あなたは私のためによく働いて頂いてありがとうございました。」 そういって私に攻撃を続ける。 私はまだ稽古を始めて間もないから止めるので必死だ。 するとお千ちゃんの後ろから見知った顔が見えた。 「斎藤さん!」 すると物凄い勢いでお千ちゃんは高く跳び逃げていった。
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