その6

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「わりぃ、つい忘れてしまったよ。」 ほんとこの人は私を女だと思っているのか、そうではないのか。 まぁいいけど。 そして私と山崎さんは夕方になると島原に向かった。 「こんにちは。」 「あらぁ山崎はん。どないしはったん。そのこは。」 「凛子と申します。」 山崎さんは女将さんに土方さんからの手紙を受け取ると、 「凛子・・・そやねあなたは鈴蘭という名前で働きなさい。」 鈴蘭・・・ 「ちなみに山崎さんは何という名で働いていらっしゃるのですか?」 山崎さんは赤い顔して答えた。 「桜。」 そんなこといっている間に山崎さんは本物の女性みたいにしなやかで美しく変身していた。 そして私は朱色の着物に金の帯。 大きなかんざしと遊女のメイク。女将さんにやってもらい別人へと変化したのだった。
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