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世界から暴力を取り除く事が出来ないのなら、残る選択肢は必然的に前者、降り掛かる火の粉をどう払いのけるかだ。
そこで、提唱されたのが"新平和国家構築論"だった。
元々、東京府に在住していたある大学教授が吐いた戯言なのだが、ある時それが政府関係者の目に入り、彼が国会内の委員会に招聘された事によって、一躍マスメディアの注目の的となる。
だが、有名になったのはその教授の名前と論文名だけで、肝心の中身は一切として秘匿扱いとされていた。
恐らく、大手のマスコミはその内容について何か掴んではいたのだろうが、何処も彼処もメディア解体法に戦々恐々とする風潮だ、深く語ろうとする者はいなかった。
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