一話

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キッチンを出るとサンドイッチをお弁当に詰めて私に渡していつもの椅子に座った。 「ありがとう」 お礼を言ったがなにも無い。 「お礼を言われたんだからなんか言ったらどうだ?」 清隆さんが言うが無視してパソコンを起動させる。 「君は大学に行かなくていいのか?」 「午前中の授業はサボります~。午後から行こうかなと思ってるよ?」 「そうやってサボるからテストで痛い目を見るんだよ。君は。」 わかったように言う葉にムカついたが事実で反論出来ない。 「なら二人共暇か?」 「午後までは暇ですよ。」 「葉は?」 「ずっと忙しい。」 パソコンの画面を見ると今日の天気予報が映っていた。 「暇じゃん。」 「暇じゃない。暇というのは年がら年中ゴロゴロしてる君のことを言うんだよ。」 「そんなこと無い。ちゃんと仕事してます~。」 「その割りにはよく家にいるようだが?」 撮影とかあるものの他は特に無い。 「喧嘩そこまでにして暇なら今から買い物に行かないか?」
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