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しばし苦虫を噛んだような表情をしてから、黒鋼はあまりに大雑把に書かれた紙切れを四月一日に見せた。
四月一日は理事長室と書かれた地点を見た。地図によればここが目的地とされている。
「…侑子先生の部屋、ですか…」
地図を読み取るなり四月一日はため息をついた。
「どうした」
急にげんなりとしてしまった四月一日は口元だけで笑うと
「いえ、昨日侑子先生が『明日、東校舎の二階に迷子がいたら私の所に連れてきなさい。』って言ってて」
迷子って先生の事だったんですねなどと色白い顔を更に青白くした四月一日は遠い目をしだした。
どうやら四月一日と理事長には何かしら繋がりがあるのだろう。
しかも、四月一日にはあまり良くない方面で。
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