隣の化学教師

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「で、ユーコ先生に頼まれてオレを迎えに来た、と。」 「学園総出でバーベキューをやるからお前を連れて来いってな。」 何故か黒鋼は、奇妙な金髪蒼眼の男とテーブルを挟んで向かい合わせでお茶を啜っていた。 男はファイ・フローライトと言い高等部の化学教師らしい。 癖のある金髪は染めたものでなく地毛で、彼が日本人でないことを強く表している。 また、青空をそのまま眼に入れたような澄んだ色をしており、整った顔立ちを更に引き立てていた。 「バーベキューねぇ~楽しそうだねぇ~」 外見に反して非常に日本語は流暢に話す、が。 「もう始まってる。行くならさっさと準備しろ。」 「うん、じゃあお茶片づけてから行くね」 そういって化学教師が立ち上がって片づけ始めた。 《カチャカチャ……ガッチャン…》 「「………」」 一つ、先ほど飲んでいたお茶は緑茶で茶葉も、急須の場所も分からない黒鋼が淹れたもので、 たった今急須は床に落ちて粉々湯呑みに残っていたお茶はテーブルにぶちまけられている。
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