出逢い(シリアス)

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今回のようなことが良くある。 火影の爺ちゃん貼った結界に揺らぎを感じて部屋の入り口を見ていると、必ず誰かが手に得物を持ちこちらへやってきては、彼らの気が済むまで暴力がおこなわれる。 最初は助けを呼んだりもしたが、来てくれたことは一度だってなかった。抵抗すれば何倍にも増して暴力は酷くなるのを学んでから助けを呼ぶことを止め、耐えることにした。 自分に宛がわれた部屋は元々ここではなかった。 畳張りの部屋だったが、広がった血の滲みが残ってしまうために今のフローリングに移された。 囲まれるように本棚が設置されていて、どうも忍術書であるらしく中にはまだ自分では開けることが不可能な封印書も混じっていた。 見た目はアカデミーで習うような忍術書に見えるため、自分をこの部屋に追いやった使用人はただの古い書庫だと思っているだろう。 まだ三歳であったが、火影から字を学び、今ではこの部屋中の本を制覇しつつあるほどになった。 いくつか使えるようになった術もあるけど誰かに使ったことはなかった。
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