奇妙な生活1日目

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「ねえ、あんまり近寄んないでよ」 「じゃあ、携帯電話を道端に捨てていく、ってことになるぞ」 「…」 「フッ」  私が少し困惑した表情をすると、奴はうつむきながら、かすかに笑った。  学校についた。  学校では、携帯電話の電源は切る、という決まりになっている。 「どうやって電源切ればいいの」 「お前が電源切るタイミングで俺に言ってくれれば、自然に寝る。俺ら携帯電話にとって、電源を切るということは、人間の“寝る”という行為に値するのさ」 「はい、じゃあロッカーの中入って、さっさと寝ろ。」 「了解」  奴は素直にロッカーの中に入り、その瞬間眠りについた。
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