第九章 自由

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第九章 自由

ヨシキ「ポケモンは、自由を望んでいる。」 サトシ「自由……だと…?」 ヨシキ「昔、人間とポケモンは仲良く暮らしていた。人間に喜怒哀楽があるとすれば、ポケモンにだって喜怒哀楽がある。」 サトシ「………」 ヨシキ「しかし、二人の研究者が、ポケモンを中に入れ、自由に出し入れできるボールを開発した。」 カスミ「それって、まさかモンスターボールのこと?」 ヨシキ「いかにも。二人の研究者は、そのモンスターボールを使い、ポケモンを閉じ込め、自由に出し入れし、ポケモンを戦わせることを思いついたんだ。」 サトシ「バトルのことか?」 ヨシキ「そうだ。ポケモンの所有者の指示に従い、戦う。ケガをしたら薬で治療し、また戦わせる。」 サトシ「それはポケモンのバトルだ。なんの問題はない!」 ヨシキ「サトシ君、本当にそう思うのか?」 サトシ「な、なにが言いたいんだ…」 ヨシキ「ポケモンは…………バトルをするためにこの世に生まれてきたわけではない!!」 サトシ「!!」 ヨシキ「人間に恐怖、痛み、悲しみ、憎しみがあるように、ポケモンにだってその感情はあるはずだ。」 カスミ「……」 ヨシキ「なのに、人間の指示に従い、戦い、負傷し、治療し、また戦い、負傷し、治療し、またまた戦い……………俺には、虐待にしか思えない。」
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