想い(続き)

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拓哉 「なら、試してみるか?」 口角を上げ、艶やかな笑みを浮かべた拓哉は、実留の返事を待たずに、再び実留の唇を奪うようにキスをした。 実留 「んっぁ。」 先程とは比べようもない激しいキス。 部屋には卑猥な音が流れ、2人は息をするのも忘れ、お互いを求めるように唇を合わせ続ける。 もう離したくない…… もう誰にも渡したくない………… その思いが唇を合わせる度に、強くなり、昨夜考えていた事を忘れたように、実留をきつく抱き締め、求める拓哉。 何で優しくするの? ……何で…………何で? 拓哉に強く抱き締められ、求める様な激しいキスの中に拓哉の優しさを感じる実留。 今まで、キスは調教の中の一部みたいなもので、キスの仕方、感じ方、全て身体に覚え込まされていたモノが、拓哉の優しさにより壊され始める。 壊された隙間から何か温かいモノが出てきたかと思うのと同時に、苦しくて心を締め付ける様な感情が湧き出てくる。 …………怖い。 拓哉 「……っ!?」 拓哉がゆっくり唇を離す。 強く抱き締めていた実留は固く目を閉じたまま、涙を流し小刻みに震えていた。 拓哉 「お前の負けだな(苦笑)。」 拓哉が実留の頭を撫でると、実留がゆっくりと目を開ける。 濡れた瞳。濡れた唇。 まだ幼い顔付きながら、どこか女を感じさせる表情。 その表情で拓哉を見つめる。 上目遣い……こいつは狙ってんのか? 理性が飛びそうになるのを必死に抑えつける拓哉。 拓哉 「……実留?無理はするな。なっ?」 実留 「っ違、」 拓哉 「身体は欲しがってるんだろうが、心は違うだろ?」 実留 「っ……何で、どうして……ヒドクしてっくれないの?」 実留の問いに、困った表情を浮かべた拓哉。 拓哉 「……俺が止まらなくなる。一応なっ?俺も男だ。反応もするし欲情もする。だが最後までヤル訳にはいかないだろ?」 実留 「どうして?」 消え入りそうな声。 自分自身もどうしていいのか分からず、その気持ちが言葉として発せられる 拓哉 「……実留?お前は、アイツらと同じような事がされたいのか?」 実留 「っ!!……そ、それでも、か、構わない。だから……だから……。」 抱いて…… その一言がどうしても出てこない。 ……認めたくないから。 拓哉の言う通り、身体は刺激を欲してる……だけど心は……。
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