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久々に彼女に会える
そう思っただけで健太の足取りが軽くなった
2週間ほどしか会わなかっただけなのに、これほど長かった2週間はないと健太は感じていた
春休みが終わり、やっと学校始まった
僕は彼女の事を考えると周りが見えなくなる
音も聞こえなくなってしまう
彼女の事しか頭に残らない
お風呂で彼女の事を考えると大変な事になってしまう
この前は2時間もお風呂に入ってしまった
その後、母ちゃんと姉ちゃんにボロクソに怒られてしまった
それからはなるべくお風呂では考えないようにしている
朝の登校の時に彼女の事を考えると知らない内に学校についている
20分あまり歩かなくてはいけないのに一瞬でついてしまう
不思議だ
僕はこれを「彼女の魔法」と呼んでいる
「彼女の魔法」はとても危険な魔法だ
何回も電柱にぶつかり、こぶができる事も少なくない
僕は毎朝まだ見ぬ彼女との未来を想像して今日もまたこぶを作るだろう
早く会いたいな
近くで、車のクラクションが鳴っていた気がする
救急車のサイレンも鳴っていた気がする
しかし、今の僕は「彼女の魔法」にかかっているので聞こえることはなかった
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