花束

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「嬉しいなあ。久々ですよ、羽のはえている人に逢うのは」 「羽のはえている人がいるんですか?他にも」 驚いてたずねると、その顔でうんうんと頷いた 「しっぽのある人や、頭のてっぺんに花が咲いている人なんかもいます。 本当は、皆そうなんですよ。めったに見かけなくなりましたけどね」 そして、花売り籠をよいしょと道端に寄せると、私の隣に腰をおろした 「いつからか、皆そういうのを隠したがるようになったんですよね。 そのうち、気づくことさえなくなって…。 不思議ですよね。全部、自分なのに」 電球さんは、膝の上で頬杖をついた
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