《別れ》

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拝啓…親愛なる私の『姫』 貴女が亡くなられてからというもの、私の心情は深刻な状態にあります…。 しかしながら『常』にという訳では御座いません故、あまりお嘆きになられぬ様…。 しかしながら私の心は時に歪み、そして崩れ堕ちる程に貴女を想う。 凛とした貴女のあの姿、想い起こすと胸に拡がる切なさと絶望に似た感覚…。 苦しくもある。 恐らくは私の間違いからなる貴女の死。 故に離れられない…。 辛過ぎて苦しい。 貴女は今『存在』するとあるなれば、何をお望か? 貴女の『アレ』は自害とも受け取れる行為。 辛く有ります。 しかしながら…やはり気高い。 そんな貴女を私は生涯忘れる事はありません。 貴女と過ごした短い時間…しかしながら私にはとても長くあり、とても濃くもありました。 恐らく私は貴女を愛していた。 そして貴女と過ごした場所…想い起こされる記憶に切なさが込み上げます。 しかしながら、それは《現実》と《真実》を見たならば、取るに足らない話ですね? きっと貴女はあれで良かったのでしょう…。 私の推測でしか有りませんが。 そう捉えるより他に、私の-精神の有り処-は御座いません…。 いつまでも私が貴女を縛り付けては貴女も恐らくは困られてしまう。 恐らくは…。 しかし…こうも望む。 『貴女と共に歩みたい』と。 見守っていて下されば、私はこれ以上に無い幸福感に満たされる。 そう言った『現象』があるのならば、そちらと捉えたいと考えます。 貴女が望み、あちらに逝かれたと。 辛かったのでしょうな…私はそうとしか考えられない。 またしても辛くなります…。 貴女は…ともすれば、そうして私を苦しめるおつもりでそうなされたのか…。 あの日の貴女は気の狂った様に暴れ回り…私には何も出来ませんでした…。 翌日の死。
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