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「災難だったな」 「おー。ったくよぉ、やることがムチャクチャだぜあの先生。大体来いっつったって一体なんの用だろうな」 それは多分…。 「それにしても…酷い顔だな」 伊東の顔を見上げ、思わず吹き出しそうになる笑いを噛み殺す。 チョークで擦れた跡とは別に、伊東の顔面にはくっきりと黒板消しに付着した粉の跡が残っているのだ。 「あっ、テメー笑うなっつの。くっそー」 クラスメイトにもからかわれ、恥ずかしそうに腕で顔を拭いながら伊東は教室を後にした。 顔を洗いに行ったんだろう。 廊下では伊東が通り過ぎる度に笑いが起こっている。
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