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「ちょっと、翔!つめたいよ」
『お前がぼーっとしてるからだよ』
「もう」
庭で水をかけられている燕羽を見つめながらため息をつく鷺
孔雀が消えて1ヶ月が過ぎようとしていた
もちろん俺達も何もしていなかった訳ではない
翔は鶺鴒を鍛えていたし
幻蝶は氷龍の過去を必死に探り出していた
「ほらほら、おやつだぞ」
『やった』
「あ~ん、びしょびしょだよ……冬矢~!」
「風邪をひくからさっさと着替えて来い」
かけられた水よりも冬矢は相変わらず冷たかった
「そう言えば最近変死体の噂が」
「ああ、余り考えたくはないな」
「ですね」
「孔雀の仕業だよ……あんな殺し方は彼にしか」
『だからもう嫌いになった?』
「まさか……でも、孔雀の気持ちを考えると」
『だね…そろそろ俺達も動き出すしかなさそうだ』
「わかりました」
氷龍に使われているのなら必ず二人きりの時もあるはず
その隙を狙うしかない
「翔」
『鶺鴒、お前ならもう大丈夫だから』
「うん」
こうしてまずは孔雀を助け出す作戦を立てる事にした
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