第1章~【指揮者】

4/9
前へ
/87ページ
次へ
ミンナは円陣を組んで 体育座りで座らされている。 その両手は 白いロープでしっかりと拘束されている。 僕は円陣を組んでいる ミンナの中の一人に ゆっくりと近付く。 「ところで坂下君 さっき戸口君から君の名前が出たけど?」 「知らない…!本当に俺は知らないんだっ!!」 僕は坂下の顔にナイフを当てて、軽く力を入れスライドさせた 頬からうっすらと血が、にじみ流れる。 「ひっ…や…ヤメ」 僕は萎縮している坂下に笑顔で問い掛けた。 「本当に知らないの?」 「知らない!本当だよ!頼むよ…頼むから殺さないでくれよ…」 坂下は膝に顔を向けて、そのままうつむいてしまった。 まるで話にならない… 小学生の駄々っ子の様な反応をする坂下君。 「仕方がないなあ…」
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加