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ノックを終えた俺はベンチに座り呼吸を整えていた。そこに悠真がやってきた。
「さすが主将、全員相手にあんまり息が切れてないね」
「今の俺を見てどうしてそう言えるかが疑問だ、60以上いる部員に5球ずつ…計300もバット続けて振ってりゃあ、息切れてもおかしくない」
「そうかな…はい!」
「サンキュー」
マネージャーが作った薄めのアクエリアスを渡されると一気に飲み干した。
ふとグラウンドを見てみれば、レギュラー陣は各メニューの準備を…
そうでない奴はティーバッティングの準備をしていた。
「ところで野村の怪我…試合までに直らないって聞いたか?」
「あぁ…朝、先生に…」
野村とはレギュラーでショートを守っていた奴だ。
一週間前、不注意でボールが指に当たり親指を複雑骨折し全治3ヶ月以上と言われた。
2年生だからまだ直して復帰できるチャンスはあるが、3ヶ月に控えた夏の大会は無理だと言う。
朝、メンバーの変えを任された俺はショートを守れる部員2.3年に集まってもらったが、なかなかピンとくる奴がいないことを悠真に話した。
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