~序章~Welcome to the world

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オレは宅配便の伝票を書いてデパートの人間に金を払った。 この4月からオレは、仕事の為に家から遠く離れた土地で一人暮らしを始めた。馴れない土地ながらも結構楽しくやってこれている。 両親の買い物は済んだ… 後はオレが前から欲しかったある『物』を買いに行くだけだ。 それは現在主流のPC。昔から憧れて自分で働きだしたら買うって決めてたんだ。 憧れからその専門学校も卒業して、今はSE(システムエンジニア)として働かせて貰える事になった。 SEが自分のPCも持ってないのは格好つかないしな。 オレは家に帰る道すがら、このあたりで一番の大きな家電店に足を運んだ。 PCコーナーを見てみると… うわ… 凄く沢山のPCがある。 どれくらいの性能でどれだけの値段ならっていうのは自分ではある。 だけど、これだけあったらいくらコンピューター関係の仕事してるからって全然解らないよ。 悩んでるオレに気づいて店員が近寄ってきた。 「どんなPCをお探しですか?」 オレは内心ホッとした。解らなかったら聞くのが一番だ。 「すいません、ハイエンドモデルを探してるんですが」 「ご使用目的はゲームですか?お仕事?」 オレはちょっと悩んだ。 だってさ、なんだかゲーム目的でPC買うって抵抗が無い訳じゃない。憧れ続けて買うんだけど、そんな気持ちを読まれたみたいで少しだけ悩んだ。 だけど…それが目的だもんな~… 「メインでゲーム…かな、何かお薦めありますか?自作でもいいんです。お薦めパーツでいいのあれば。」 店員は少し考え、オレに笑顔で答えてくれた。 「今でしたら回線契約込みでしたら、当店オリジナルで作ったハイエンドPCがお安くありますが?」 オレは内心で狐に摘まれた顔をしたかもしれない、っていうかリアルに顔に出したかも。 回線忘れてた。 心の中で凄く汗をかきながら店員にそのPCを見せて貰えるようにお願いしてみた。
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