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プルル…プルル…
誰だろぅ。確か携帯は…あった。
俺はジーンズの左ポケットに入れていた携帯を取り出した。着信は会社の先輩でこの街に来てからお世話になってる人の名前を表示していた。
「もしもし」
『やっほ♪休み満喫してるかい?』
携帯の向こうから軽い調子で話しかけてくる人物は
「こんにちは、荒未先輩。」
荒未 慶介(あらみけいすけ)さん。会社の先輩で俺が入社したその日当たり前の事だが知り合いはおろか、友達がいない為に俺は一人で昼食をとろうとしてた。
その時、見かねた先輩が俺を誘ってくれた事がきっかけで仲良くしてもらえてる。
俺には兄弟がいないから解らなかったけど優しい兄貴って、きっとこんな感じなんだろうな。
『イズミ、PC買えたか?』
荒未先輩には今日PCを買う事は伝えていた。気にしてくれてたんだ。
「はい。教えてもらった家電店で買えました。結構安く買えましたよ。夕方には届く予定ですよ。先輩は何してるんですか?」
俺は先輩に簡潔に答えると先輩の近況を聞いてみた。
『あ?オレか?教えてやりたいが、内緒だwダイブするんだろ?その時教えてやるよw』
電話の向こうで先輩は何か楽しい企みでもあるんだろう、隠す事なく笑っている。
何か、一抹の不安がよぎるな(汗)
『ダイブ出来るようになったら携帯からでもメールくれ。迎えにいくさ。』
俺はかけられた言葉にPCを買った事を思い出し、期待が興奮を呼び待ち遠しくなった。
「わかりました。メールしますね。」
その後はお互いに簡単に別れの挨拶を済ませ、俺は帰路についた。
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