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整った顔…。羨ましいくらいに綺麗な顔をしてる。
いつか左之助さんが帰ってしまう時が来る前に気持ち伝えなきゃね。
あたしはそう思いながらベッドに潜り込み眠りについた。
…その晩、久しぶりに夢を見た。
あたしは何故か着物を着て髪の毛も結い上げていて、縁側に座って何かを見つめていた。
小さな、小さな男の子だった…。
あたしの方を見て、満面の笑みで“母上ー”と呼ぶ。
あたしは立ち上がりその子の元へ歩み寄り、抱き上げて幸せそうに微笑んだ。
あたしの腕に抱かれた男の子は、玄関のある方向を見て、手を振りながら嬉しそうに“父上!”と呼んだ。
あたしは顔を玄関の方へ向ける。
そこにいたのは………
左之助、さん…?
ーーーー…
そこで、目が覚めてしまった。
外はうっすら明るくなっていて、時計を見ればまだ朝の5時だった。
何気なく左之助さんの寝てる布団に目をやれば、気持ち良さそうに眠っている。
あの夢は一体何だったんだろう。あたし達の未来?それとも、ただの夢?
それはまだ、神のみぞ知る…。
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