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バイトだって夜中に終わるのに、いつもいつも起きて待っててくれて、必ず“お帰り”って笑いかけてくれて。
いつの間にか、好きになっていた。
生きる時代は違えど、ずっと一緒にいたいって思う。
死が、2人を別つまで。
寄り添っていたいって思える相手になっていた。
あたしは玄関の前に立つと、鍵を開ける前に深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。
そして、心の中で決意を固め鍵を差し込んだ。
「ただいまー」
原「おう、お帰り」
平常心を保ちながら中へ入りブーツを脱ぐと、中から左之助さんが出て来ていつも通り迎えてくれた。
「明日から昼間はゆっくり出来るわー」
原「だな。学校もあともう少しなんだろ?3月までだったか?」
「うん、3月で卒業。3年間ってあっという間だわ…」
あたしは寝室へ入りスクールバックを置いて着替え始めた。
原「良く頑張ったな。1人で大変だろうに」
「うん…、でも1人で生きて行くしかないからね。割り切っちゃったし、平気よ?今は左之助さんがいるから寂しくないしね?」
あたしは着替え終わると左之助さんの隣に座った。
言うなら今だ。今を逃したら…っ。
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