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『5、4、3、2、1…HAPPY NEW YEAR!!』
テレビからは新年を迎えるカウントダウンと、新年の挨拶が歓声と共に聞こえて来る。
「明けましておめでとう、左之助さん」
原「ん、おめでとさん」
チュッ…と左之助さんは触れるだけのキスをくれる。
あたし達は年越し蕎麦も食べ終え、テレビを見ながらのんびりしていた所。
左之助さんはお酒も入り、頬が赤くなっている。
寄り添っていれば、とても暖かくて気持ち良い。
原「今頃…あいつらも正月迎えて宴会やってんのかな」
「左之助さん…」
急に遠い目をしながら呟く左之助さんを見て、あたしの心が揺らいだ。
戻れるならば早く戻りたいだろう。元いた時代へ。
きっと、今頃全員揃っての大宴会だっただろう。
あたしの左之助さんに対する気持ちが、左之助さんを引き止めちゃってるのかな…。
原「美緒が気に病む事じゃねぇよ。俺は、今を生きてんだからな」
「ん……」
左之助さんは“気にするな”と呟きながら、あたしを安心させる様に抱き締めてくれた。
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