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涼しい玄関先で保存しておいたおせちを持って来てテーブルの上に置き、蓋を開けながら言う。
お正月くらい、朝から飲んだって怒られないでしょ。
原「お、そうだな。少し飲むか」
嬉しそうに笑いながら手慣れた様に袴をはく姿はいつ見ても見惚れてしまう。つい、作業の手を止めてしまう程に。
あたしはキッチンへと向かい、箸とお皿、お酒とお猪口を持って戻った。
「はい、どうぞ」
あたしは左之助さんにお猪口を手渡すとお酒を注ぐ。
わ、何か奥さんみたい?
原「お、ありがてぇな」
左之助さんは嬉しそうにお酌を受けてくれる。
「卵焼きか何か焼こうか?温かいもの欲しくない?」
原「そうだな、頼むわ」
「分かった!あ、好きなのつまんでていいからね?」
あたしはスッと立ち上がりキッチンへ向かう。そして冷蔵庫から必要な材料を取出し、手際良く作り始める。
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