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横5cm。
縦20cm。
真っ白い長方形の画用紙。
上には小さな穴が空いていて、赤いリボンが通してある。
「う~…何書くですかねー」
油性マジックを持ったまま、頭を抱えるシア。
「シアヒョン。ちゃんと日本語で書かないとダメですからね」
「わかってるですよー…チャンミは何て書いたですかー?」
「…何で教えなきゃないんですか?」
色とりどりの折り紙を、
輪を作りながら繋げていくチャンミ。
誕生日とかに飾り付けで使う例のアレ(笑)。
「良いじゃないですかー」
「シアヒョンの口も糊でくっつけますよ?」
「けちー」
そんな二人を尻目に。
正直オレ自身も、何を書こうか悩んでたり。
「ねぇ…ユノは何て書いたの?」
「ん?んー…秘密」
そういって短冊を隠してしまった。
「なんでー??」
「何でも」
そういって照れ笑いするユノ。
ぷぅ…と頬を膨らませていると、玄関の方から「ただいまぁ」と声が響いた。
「笹貰ってきたよ」
「おかえりユチョナッ」
パタパタと駆け寄っていくシア。
1メートル位の高さで、付いている葉も少し小さめ。
「ジェジュー何処置けば良い?」
「あー…じゃぁベランダとか?」
「了解ー」
ベランダに向かうユチョナの後を追うシア。
チャンミも飾り付けを持って後を追う。
あぁ、またじゃれてる(笑)
三人でワイワイと楽しそうに笹に短冊や飾りを付けてる。
「…ジェジュは、何て書くんだ?」
ユノが手元を覗き込んできた。
「決まってない…何書こうかな…」
願い事。
「…あ、コレにしよ」
“みんな元気に活動していけますよーに”
キュキュキュッとペンを走らせる。
「…さっすが、“東方の母”」
「健康第一だしね」
オレは紙をひっくり返して、下の方に小さく書いた。
「?まだ何書くの?」
「んー?ヒミツ。さてと、短冊掛けに行こうっと」
椅子から立ち上がり、三人の居るベランダに向かった。
珍しく満天の星空が広がっていた。
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