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「…ん?」
「コレ…貰っても良い?」
隣に来たユノを見上げると、「え?」って顔をした。
「良いじゃん。ダメ?」
こんな嬉しいもの。
このまま無くなってしまったら勿体ない。
「あー…じゃぁ…こっちは俺が貰って良い?」
そういって、オレの書いた短冊を笹から外し取った。
「え…?」
それは……。
ユノは短冊を裏返して見せてきた。
“ユノとずーっと一緒に居れますよーに”
「……なんだ、知ってたんだ」
むぅ…っとすると、ユノは小さく苦笑い。
「ジェジュがシャワー浴びてる間に…おあいこだろ?」
確かにおあいこ…かな。
「…しょうがないなぁ…特別だよ」
「特別…な」
ユノの手がオレの頬に触れて、
そのまま唇が重なった。
この時間がずっと続くと、信じていた。
「オツカレー」
「お疲れ様でしたぁ」
「お疲れサン」
雑誌用の撮影が終わって、スタッフさんもみんな片付けを始めた。
「お疲れ様でしたー」
衣装を着替えるために、楽屋へと戻る途中。
「…あ、笹だ」
小さな小さな七夕飾りが、申し訳なさ程度に飾られていた。
「あ、今日七夕なんですよ~」
「へぇ~…」
忙しい日々の中で、すっかり忘れてた。
今日は7月7日。
七夕。
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