558人が本棚に入れています
本棚に追加
「買ってしまった…」
クリスタルカットされたピンクの小さなボトル。
“philter”
『用法用量を守り、正しくお使いください』
とシルバーの文字で書かれているドキツイパッケージ。
『チャミにモーションをかけたい?!あー…じゃぁコレ使ってみなよ。結構効くよ』
そう言ってジェジュに勧められたのがコレ。
「…買ったのは良いけど…どうやって飲ませよ…」
半ば無理矢理に近い状態で、購入させられたソレは、ベッドの上に座る俺の前に息を潜め横たわっている。
「えぇと…“無味無臭で食べ物に混ぜてもOK!!これで彼も虜に❤”…って」
なんか説明書読んでいて疲れるのは俺だけか!?
…とりあえず…チャンミの飲み物に混ぜてみるか…。
こうして、
俺の“チャンミに薬を盛る作戦”は始まったのだ…。
多分ッ(汗)
真っ先に向かったのは冷蔵庫。
やるとすれば水に溶かして…だよな。
さりげなく渡せば…。
ペットボトルの蓋を空けて気づく。
「…どれぐらい入れればいいんだ?」
慌てて説明書を読む。
“一滴で、ドキドキ♥
二滴で、胸騒ぎ♥
半分で、我慢出来ない♥
全部使えばもう夢中♥♥
※即効性なので、使う場所にはご注意を♪”
って、適当過ぎッ!!!!(汗)
俺にどうしろって言うんだこの説明書は…。
てか三滴越して半分て…。
悩むユノ。
…とりあえず、二滴。
ポタポタと二滴垂らして、蓋を締め直してシャカシャカと混ぜてみた。
確かに液は無色透明な上に、水にも簡単に溶けて変化がない。
「……よし」
一つ頷いて、俺はそのペットボトルを手にチャンミの部屋へと向かった。
…が、しかし。
「ただぃまぁーッ!!」
元気に玄関から入ってきたのはシア。
そしてバッチリと視線が合う。
「…お、おかえり」
手に持っているモノがモノなので、一瞬にして俺の動悸は速まった。
「ただいまぁユノヒョンー。あー疲れたーッ!!今日のレッスンいつも以上にハードだったですよー」
「お、おう。お疲れ」
「しかもトレーニングルームのエアコン壊れて蒸し風呂状態…喉カラカラ~」
スタスタと近寄ってきたシアは、俺の手からペットボトルを華麗に奪い去り、一気に喉に流し始めた。
……え?
.
最初のコメントを投稿しよう!