ヒミツノヒミツ

2/6
前へ
/70ページ
次へ
  「買ってしまった…」   クリスタルカットされたピンクの小さなボトル。 “philter” 『用法用量を守り、正しくお使いください』 とシルバーの文字で書かれているドキツイパッケージ。 『チャミにモーションをかけたい?!あー…じゃぁコレ使ってみなよ。結構効くよ』 そう言ってジェジュに勧められたのがコレ。 「…買ったのは良いけど…どうやって飲ませよ…」 半ば無理矢理に近い状態で、購入させられたソレは、ベッドの上に座る俺の前に息を潜め横たわっている。 「えぇと…“無味無臭で食べ物に混ぜてもOK!!これで彼も虜に❤”…って」 なんか説明書読んでいて疲れるのは俺だけか!? …とりあえず…チャンミの飲み物に混ぜてみるか…。 こうして、 俺の“チャンミに薬を盛る作戦”は始まったのだ…。 多分ッ(汗) 真っ先に向かったのは冷蔵庫。 やるとすれば水に溶かして…だよな。 さりげなく渡せば…。 ペットボトルの蓋を空けて気づく。 「…どれぐらい入れればいいんだ?」 慌てて説明書を読む。 “一滴で、ドキドキ♥  二滴で、胸騒ぎ♥  半分で、我慢出来ない♥  全部使えばもう夢中♥♥ ※即効性なので、使う場所にはご注意を♪” って、適当過ぎッ!!!!(汗) 俺にどうしろって言うんだこの説明書は…。 てか三滴越して半分て…。 悩むユノ。 …とりあえず、二滴。 ポタポタと二滴垂らして、蓋を締め直してシャカシャカと混ぜてみた。 確かに液は無色透明な上に、水にも簡単に溶けて変化がない。 「……よし」 一つ頷いて、俺はそのペットボトルを手にチャンミの部屋へと向かった。 …が、しかし。 「ただぃまぁーッ!!」 元気に玄関から入ってきたのはシア。 そしてバッチリと視線が合う。 「…お、おかえり」 手に持っているモノがモノなので、一瞬にして俺の動悸は速まった。 「ただいまぁユノヒョンー。あー疲れたーッ!!今日のレッスンいつも以上にハードだったですよー」 「お、おう。お疲れ」 「しかもトレーニングルームのエアコン壊れて蒸し風呂状態…喉カラカラ~」 スタスタと近寄ってきたシアは、俺の手からペットボトルを華麗に奪い去り、一気に喉に流し始めた。 ……え? .
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

558人が本棚に入れています
本棚に追加