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コンコン…とドアをノックして、中から返事が返ってきてからドアを開けた。
チャンミは机に向かって何かをしていたらしく、
振り返ると眼鏡をしていた。
「はい、入れてきた」
「ありがとうございます」
そういってチャンミは俺の手からカップを受けとった。
渡す瞬間、手が震えてしまったことに気づかれないか心配になった。
チャンミはカップにすぐには口を付けずに、そのままディスクの上に置いてしまった。
「(…即効性なら……やっぱ飲むまで見届けないとな…)」
だからと言って、何もしないでまさか此処に立っている訳にも行かないし…。
「…あぁ、そうだ。ユノヒョン、良かったらコレ貰ってくれませんか?」
「ん??…“コラーゲンウォーター”??」
「はい。ジェジュヒョンから貰ったんですけど、僕の口には合わなくて…。
口を付けてしまってからで申し訳ないんですが、良かったら」
手渡された小さなペットボトル。
確かに封が切られてある。
「さんきゅ。でもなんで“コラーゲン”?」
「さぁ。“肌の調子良くなるって話だから、チャンミにあげる”って貰ったんです。
まぁ結局は自分の口に合わなくて、ジェジュヒョンも僕に押し付けてきたんでしょうけどね」
「それを人によこすのかよ」
「もしかするとユノヒョンの口には合うかも知れないじゃないですか?」
そんな話をしながら、成り行きで口を付けた。
少し薄めの味だけど…俺的には好みの味だった。
小さなペットボトルだったので、そのまま飲み干してしまう。
「うん。俺的には好きかも」
ペットボトルからチャンミに視線を移すと、
チャンミが妙に鋭い視線をしていて、思わずドキリとした。
「…そうですか。良かった」
笑ってる顔も…なんか目が笑ってないダークスマイル?
なんとなくいたたまれない気分になって、動悸が速まってきた。
「ご、ごちそうさま。んじゃぁ…」
踵を返して一歩踏み出した途端。
ドクンッッ
ありえないほどに跳ね上がる鼓動。
あれ?……何か……変??
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