偽りの平和

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偽りの平和

2023年、5月 トウキョウ オウカ高等学園 『・・・により、付近の住民への注意が呼びかけられています、我々の平和な日常を脅かす、恐ろしい存在ですね。では続いて、約9年前から問題にされている犯罪・薬物の増加について、特集をお送りします』 ピッ・・・ 平和な日常?馬鹿な、充分今の日常は危険と隣り合わせだ。 彼、ラーン・シークはトウキョウにあるオウカ学園のテレビを見て心の中でイラついていた。 名前が外国人のように感じるかもしれないが、れっきとした日本人である。 2012年に日本もファーストネームを先に名乗る制度が生まれ、このときはカタカナにすることを原則にした。 これにより多少変な漢字でも好きに名前を付けられるようになった ちなみに彼の名前を日本表記すると 思紅 楽安である 2020年に資源を巡る紛争、それ以前にも犯罪・薬物の増加、いじめ問題など平和とはほど遠い。 9歳のときにはいじめられた、逆に14歳のときはいじめをしろと強要されたが相手にしなかった まだまだ世界は不安定すぎる・・・・ ジャック、お前の言う時代の流れをコントロールするのはまだまだ先になりそうだ。 まずは世界を根本的に・・・いや、こんなのを考えても意味はないか・・・・ 「もうそろそろ寮に戻らないとな。 小さい頃は寂しいだけだったが・・・・ 今になってみると親がいないというのは登下校の手間が省けるのかもしれないな。 いや、そもそも住まわせてもらえてる学園に感謝するべきか、とにかく部屋に戻ろう」
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