序章 私立王野宮学園

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「ちょっと!私が先に手を繋いでいたのよ真似しないで!?」 「何を言ってますの?私(わたくし)は腕を組んでいるだけですわ。 あなたこそ、その手をお放しなさい!」 「うわ、やめろよお前ら!」 いつも通りの風景だな。 俺の名前は雅廉(みやびれん) しがない脇役だ。 とくに特徴の無い容姿だがしいて言うなら、少し垂れた目とボサボサの普通の長さの黒髪ぐらいかな… まあ、俺の容姿は別に興味がないとして現在進行形で俺の通う私立王野宮学園の通学路ではたから見たら羨ましい光景を繰り広げている美男美女。 回りからの殺気の篭った視線に気付かず相変わらずのイチャイチャぶり。 羨ましいな。 いや、イチャイチャがでは無い、決してない。 大事なので二回言いました。 ああも日常を楽しく過ごせるあたりがだ。 しかし敵を作るのは嫌だな。 あいつらの持つ主人公補正ならどんなトラブルも問題無いだろうが、いかんせん俺みたいな脇役は外敵から身を護る術を知らないし強運も持ち合わせてない。 ゆえに目立つのはやだ。 あいつらの様な主人公キャラ達と関わりたくはない。 「あら、大丈夫よ。 あなたは死なないわ、だって私が守るもの。」
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