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俺には何もない。
帰ることが出来る家もない。
生きながらえるだけのお金もない。
仲の良い友達さえいない。
俺に生を与えてくれた親すらもいない。
みんな奪われてしまった。
はっきりとは覚えてないが、数年前からだろうか。
俺の村の近くに盗賊団が住み着いた。
それも悪行に悪行を重ねる極悪非道の烙印を世間に押されている盗賊達だ。
やつらはしばしば村を訪れては食料・金貨・若い女性を奪い、抵抗する者あれば、容赦なく殺す化け物でしかなかった。
それでもなんとか生活していた俺の家族は、誰一人欠けることなく苦しみの中にも幸せを感じながら生活していた。
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