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「ホントに!? やった、ありがとね! それじゃあこれからよろしくね!」
ピョンピョン飛び回る宮田さんは、まるで小動物みたいである。
「うん、よろしく宮田さん」
交渉成立。とは言っても俺に大したメリットなんてない。まあ、少しは学校生活が面白くなるかもしれない、という期待も込めてのオーケーなのだ。
ニコニコしながらこっちに手を振った後、屋上を出て行く宮田さん。
俺以外誰もいない屋上では、風が吹く音だけが寂しげに響いていた。
今になって、屋上にくる前に脳内の大多数の部分を占めていた「期待」を思い出す。
俺ってホント、バカ。
薄ら笑いを浮かべながら思わずそう呟いてしまった。
だってそうだろ?まさかのカワイイ子からの告白かと思いきや、その子の口から出た名前は違う人のだったって……。
嗚呼、切ない。
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