プロローグ

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 眼前に広がるこのシチュエーション。放課後。屋上。男子と女子。女子側の赤らんだ頬。  これだけの定番シチュが用意されていて、例のあのシーンを予想しない人がいるであろうか。答えはもちろん否、だろう。 「あのね、竹下君。私、前から……」  言いかけて、恥ずかしそうに顔を伏せる彼女。夕日に背中を向けているせいで表情が良く見えなくなっていたが、顔色は夕日に負けないくらい赤かった。  告白、だよねこれ。ぜってぇーそうに決まってるよ。  黙ったまま立っている俺もポーカーフェイスを気取ってはいるが、いつストレッチの利いた表情筋が弛んでしまうかわからん。馴れない状況に心拍数もうなぎ登りで手も震え出しそうだ。一言でいうと、ヤバい。  内心オロオロ、外面はキリッと身構える俺に向かって彼女は再び顔を上げ、口を開いた──
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