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高津の提案に了解し、二人で談笑しながら学校へ向かう。
「高二になってもう一カ月かぁ。なんか面白い事でも起きないかね、なあ高津君?」
「なんだそのニヤついた顔は。俺に何か起こせと?」
「イエス。刺激が欲しい」
「お前の仕事は刺激を享受する方じゃなくて与える方。担任が言ってたぜ? お前のこと『クソガキ代表』って。職員室にロケット花火でもぶち込めば?前にもやったことあんだろ」
随分昔の事を引っ張り出してくるな。というかあれは、冬に花火大作戦というシュールな計画の実行中、悪ノリした他の連中が飛ばした花火が偶然職員室にいっちゃっただけだっての。
まあ職員室の前でやってたから当たり前と言っちゃあ当たり前だが。
とまあ彼の言う通り、俺は刺激的学園生活を提供する側の人間であるのだ。ハッピーサプライズで先生のお怒り心頭オーディエンスの拍手喝采を浴びたい育ち盛りの高校生です押忍。
「違いますっ。不良じゃあるまいしそんな先生に危害を加えるような中学生みたいなマネはしませーん」
「んじゃあなんだよ」
「か、化学の実験的な? 自習だよ自習。優等生は独学に励むものなのです」
「良いよなぁ、素行の割に成績優秀とかさ。今度俺にも勉強教えてくれよ」
「めんどくさっ」
他愛のない話をしながら、いつの間にかたどり着いていた学校の校門をくぐる。
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