告白、そして勃発

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 放課後。  やっぱり今日の授業は全く耳に入らなかった。  告白なんて超イケメンでもない限り滅多に受けられるものではなく、残念ながらそれに該当しないであろう俺はやはり滅多に受けたことはなく、今日はその一大イベントの事で頭がいっぱいだった。  実はあなたの事が好きだったの、あらそうなんですか末永くよろしくお願いしますぶっちゅーグヒヒ。  そんな端から見りゃ気持ち悪いことこの上ない妄想を掻き立てていたせいで、先生方の話は耳に入らなかったぜ。  代わりに今日は授業妨害しなかったからそれでおあいこにしよう、よしそうしよう。  高鳴る心臓の鼓動を抑えながら、屋上への扉の前に立つ。  静まれ、静まるんだマイハート。というか俺が告るわけでもないのになしてこんな緊張してるんだ。  これを乗り越えれば晴れて桃色青春時代が到来するんだ、何も怖いことはないぞ。  自分に言い聞かせて深呼吸ひとつ、そして扉の取っ手に手をかけ、ゆっくりと開ける。  屋上には、やっぱり一人の女の子がいて、フェンスに手を置き外を眺めていた。しかしこちらの足音に気付いたのか、振り向いて、目が合う。  なるほどなるほど。  高津の言っていた情報は大体合っていそうだな。性格の方については喋らないとわからないけれども。 「竹下君、だよね。まずは来てくれてありがとう」 「いや、別に……」  くっ、落ち着くんだ俺。第一印象は大事だぞ、無愛想に振る舞ってはいけない。
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