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アモン共和国が建国される以前、その土地を統べていたのはアマニア帝国である。そこには他を追随させぬ武力こそあれ、市民には自由の破片さえ認められてはいなかった。
リオは人々の期待を一身に背負い、その手に剣をとり、志をともにする民をひきいた。帝国を打ち破ったのはひどく天候の荒れた夏の一夜だった。
新しい風の産声をきいた人々は歓喜し、帝国を共和制へと導いた伝説の革命家として、リオを語り継いだ。
「黒獅子とはほまれ高きガーデンローズ家の家紋。私をその名で呼ぶことは許さん」
上段に構えるために掲げられたリオのサーベルが、優雅な曲線を描いてゆく。指の隙間からのぞく柄に、装飾された獅子が高貴な臭気を放つ。
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