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静かに泣く隊員達を見て、小さく溜め息を吐いた。
確かに隊員はやってはいけない事をした。
だが、それは生徒会連中を想っての事だ。
好きだから何をしても良い、と言うわけではないが、編入生と言う異物がこの学園の日常を壊したのは事実で、その異物を受け入れた生徒会にも非はあると俺は思う。
人目に付かない様、編入生に接すればここまで大きく動く事はなかっただろうしな…。
虐めが起こるのを分かっていながら堂々と編入生を構う生徒会、自分が近付けないからといって構われる編入生を排除しようとする親衛隊。
俺からすれば、どっちもどっちだ。
まぁ、ただの馬鹿。
そんな馬鹿供に付き合わされる俺。
俺、可哀想すぎんだろ…。
お馬鹿な隊員だが、いちお俺の部下の様なものだし助け舟でも出してやろうか。
「生徒会の皆様、今回の件見逃してもらえません?隊員には、俺からきつく言っておきますし。」
低姿勢で相手の様子を窺う。
俺の発言に最初に答えたのは、またしても副会長だった。
「いくら何でも、それは認められないよ。未来を強姦しようとしたのは事実だからね。」
「でもそ「未来を傷付けたんだ。退学させるに決まってんだろ。」………………。」
「「そ~だよ~。そいつらが存在してるってだけで、凄く不愉快なのに!!」」
………。
「未来…虐める、ダメ。」
…………………。
「ホントに未来がか「元はと言えば、てめぇ等が播いた種だろうが!!」………。」
あまりにも自分勝手すぎる奴等の発言にまたしてもキレてしまった。
しんと静まり返る室内に、俺の荒い息遣いだけが耳に触れる。
「公衆の面前で堂々と構えば、親衛隊が動くって分かりきった事だろ?てめぇ等はこうなる事を予測できてたはずだしな。
それなのに、いざ制裁が始まったら全部親衛隊のせいにして自分は悪くないってか?笑わせんのも大概にしろよ。
てめぇ等がちゃんと考えて動いてれば、回避できたんじゃねーの?
あからさまに、てめぇ等にも落ち度があんじゃねぇかよ。」
喋っているうちに段々と気持ちが落ち着いてきた。
冷静になるにつれて、どんどん馬鹿らしくなってくる。
もう辞めたいこの学校…。
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