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「………でも、今はその話をしてるわけじゃないし…。」
副会長が呟く様に言う。
つか、さっきから副会長しか喋ってねーじゃん。
他の奴等は黙って何にも言ってこないし、はっきり言ってつまらない。
言ってきたら、完膚無きまでに叩きのめしてやるのに…。
そんな事を考えながら、副会長へ向けていた視線を親衛隊へと移す。
目が合った親衛隊の一人が、大きく身体を震わせた。
「おい、そこの3馬鹿。俺がこの間の会議で言った事を言ってみろ。」
隊員達は顔を見合わせるも、一向に喋ろうとしない。
顔を俯かせ行動に移さない奴等に腹を立てた俺は、目の前にある机を蹴った。
ガンと大きな音が室内に響く。
机に乗っていたカップから中身が零れたが、そんなのは気にしない。
「俺は気が短いんだよ…。」
はぁ~と大袈裟に溜め息をつく。
「………制裁はしないと…。」
「隊長は、様子を見ると言いました…。」
隊員の発言に生徒会の奴等は驚きの表情を浮かべた。
「ちょっと待って…、それじゃあ…。」
「今回の件は僕等の独断で行いました…。隊長は制裁の指示を出してません。」
そう言うと、嗚咽を抑えながら隊員は泣き出した。
「だから言ってんだろ…。俺は、指示なんて出してないって。」
吐き出された言葉が、室内に反響する。俺はそんな気がした。
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