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なおが息を切らして部屋に入ってきた。 な)「ゆう!!ゆう!!!」 電話では落ち着いた感じだったのに現実を目の前にして慌てるなお。 た)「なお、ゆうなら大丈夫だよ。きっと。」 なおの頭をゆっくりなでる。 泣いているなお。 でももう涙は出なかった。 た)「なお、今だけだよ、泣くのは。ゆうを支えるんだから泣いている場合じゃないよ。」 うん、うん。 うなづきながらも涙が止まらないなお。 気持ちが分かるからもう何にも言わなかった。 ゆうね、母さんと同じだった。 母さんと同じところに腫瘍が出来てた。 なおはびっくりしたように顔をあげた。 でもね、母さんの頃より医療は進歩してるからゆうは大丈夫だよ。 ゆうなんだから。 そう、言うと そうだよね。ゆうだもんね。 何かに納得したようななお。 兄ちゃん、兄ちゃんはゆうの看病に付きっきりでいいよ。僕が、家のことは全部するから。 闘いの日々が始まろうとしていた。
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