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先生と相談した結果、県大会が終わったら本格的に治療を始めることにした。
それまでは、自宅療養となった。
たけしはゆうの病状を監督に話に行った。
監督は信じられないという顔をしていたが、変えられようもない現実だった。
ゆうは毎日、1時間だけ野球部の練習に参加していた。
それでも体にはこたえるみたいだった。
ゆ)「ただいま~」
た)「お帰り~」
玄関先で座り込んだゆう。
た)「どうした?」
ゆ)「ボールが…ね、上手く見えなかったの…」
泣きそうな声で呟くゆう。
病気の症状が出ていた。
た)「ゆう。全てを受け入れようね。立ち向かうしかないんだよ。」
泣いているゆうを抱きしめて言った。
ゆ)「今年は…今年は…甲子園に…行けそう…だったのに…」
ゆ)「どうして、どうして僕なの??ママに会いたいから?」
涙を拭おうともせずに問い掛けるゆうに返す答えがない。
た)「兄ちゃんたちは、ゆうを全力で支える。ゆうは死なないよ。絶対。」
ゆ)「ほ…んと…に?」
た)「簡単にゆうを奪われてたまるか!!」
俺の言葉に少しばかり笑顔を覗かせたゆう。
ゆうはやっぱり笑顔が1番だよ!!!
この笑顔を守り抜く決心をした。
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